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大阪市では平成6年度( 1 9 9 4年度)から市内の老朽住宅密集市街地整備のモデル事業として生野区南部地区整備事業(地区面積約9 8 . 5 h a )への取組みがすすめられ、当社は地区整備計画の検討、老朽住宅の民間自力更新誘導方策の検討等を担当した。地区整備の基本構想では、「古くからのコミュニティも生かしながら居住環境と生活利便性ならびに防災性の向上を図り、安全で活気あるまちに再生する」ことを基本目標に、・多様な人々がいきいきと暮らせるまち・地域文化を受け継ぎ発展させるまち・利便性が高く安心して暮らせるまちをめざすものとしている。大阪市では、平成6年から地元の「生野区南部地区まちづくり協議会」(平成6年7月設立) と連携し、基本構想の作成をすすめ、平成7年2月に基本構想をとりまとめている。地区整備の具体化に向けては、住宅市街地総合整備事業、密集住宅市街地整備促進事業、住宅地区改良事業等の導入のもとに
・従前居住者用賃貸住宅の建設
・老朽住宅の面的整備の推進
・土地の有効利用の促進による良質な住宅の供給
・民間エネルギーを活用した老朽住宅の自主的建替の誘導
・都市計画道路、公園、生活道路、まちかど広場等の都市基盤施設等の整備
・寺社、旧街道など地域の歴史、個性を生かした魅力的な都市空間づくり
などを一体的にすすめるものとしている。
またさらに、平成7年度には都市デザインや住宅の専門家、建築家などの学識経験者等から構成されたアーバンデザイン研究会を設置し、今後のまちづくりをすすめるにあたっての公共住宅や道路、公園など公共施設のデザインをはじめ、民間住宅の建替促進にあたってのデザイン誘導の方針や、また、安全なまちづくりをさらにすすめるための防災対策などの検討をすすめている。